ひときわ京都らしいクラフトビールの【西陣麦酒】の発泡酒『室町セゾン』です。ラベルは落ち着いた感じの紫色で、優雅さ優美さを感じさせます。ラベルのような優雅さを感じさせるものなのか、それとも逆にアグレッシブな感じで驚かせてくれるのか楽しみです。
*この製品は発泡酒ですが、ビールと同じように小規模な醸造所で製造するクラフトビール製品のひとつであると勝手に解釈し、本文中にはビールと発泡酒の表現が混在してしまっている部分があると思いますがご了承ください。
【西陣麦酒】とは
京都の西陣織で有名な地域に開設されたクラフトビール醸造所。美味しさを追求するだけでなく、奥の人々との繋がりを持ち、地域貢献や教育貢献など大きな目的をお持ちになって活動されている醸造所になります。
西陣麦酒のホームページには以下のようなメッセージが記載されています。
西陣麦酒は、西陣織で有名な京都西陣で作られたクラフトビールのブランド。西陣麦酒のクラフトビールは、一つのイメージに囚われる事なくブルワーたちがそれぞれの個性を活かしつつ色々な人たちと連携してつくられます。
西陣麦酒メンバーや地域の人、また、同じくビールづくりに努めている人と共に生み出されたビールは、それぞれが個性的で多様性に富んでいます。
少量からつくれるクラフトビールだからこそできるビールの色々な在り方の探求を実践しています。そして私たちは、その西陣麦酒から生まれる「至福の一杯 /WELL-BEER」で、色々な人の色々な幸せを共に味う、”WELL-BEERING(ウェル・ビアリング)”を願っています。
とあり、個性的なビールで多くの人に驚きと感動を与えようとしてくれている醸造所です。運営母体が非営利団体であり「なぜ?」とおもって読み進めると、自閉症の方のひとつの特徴であるひとつのことを真面目にコツコツ取り組んでいただけるところを生かし、新たな働き場をつくっていこうとする活動をされています。
ビールの種類 『発泡酒』 とは
発泡酒は日本の酒税法上の分類で決まっているもので、原料の配合料や使っている原料によって分類され、酒税の額が異なります。ドイツでは麦芽使用比率100%しかビールといえないですが、アメリカなどでは、日本以上に少なくてもビールと名乗れるようです。日本の酒税法では、ビールに使える原料のみを使った場合は少ない麦芽比率の場合をいいます。ただし、ビール用の原料以外を使った場合は、たとえ麦芽仕様が高くても、発泡酒となるので法の解釈で変わってきます。
ビールのような発泡酒の火付け役は、サントリーでHop’sという商品でした。これは麦芽比率が低い場合税率が下がるという点を活かした製品でした。現在では酒税法もかわり、ビール系の飲料の税率は同じになりつつあるので、金額よりも特徴を重視したビール系飲料にシフトしている様です。
その点、クラフトビールだからこそさらに特徴生かした面白い素材や特産物を利用した発泡酒が醸造されるのは面白いと思います。
【西陣麦酒】 『室町セゾン(発泡酒)』 とは
『室町セゾン(発泡酒)』は米麹を使った発泡酒です。デンプンを糖に変化させて酵母のエサ、アルコールづくりの原料をつくるわけですが、普通のビールは麦芽を酵素によって糖に変えます。しかし、この製品は麹を使って糖に変化させています。麹といえば日本酒や焼酎という日本古来からのお酒につかわれている伝統的な手法です。西陣麦酒のホームページにはこのような紹介がされています。
室町時代から紡がれる京都の米麹文化をテーマに、アロマ×旨味×酸味が特徴のバランスのとれたビールを追究しました。 それはまるで室町文化に代表される「絢爛豪華」と「わびさび」の融合―その世界観が生み出す華やかな香りと豊かな味わいは、あなたを新しい体験へと誘うはずです。
「わびさび」かどうかはわかりませんが、日本の匠の技術を使っているというところはたいへん興味深いところです。どんな風味や味なのかとっても面白そうです。
【西陣麦酒】 『室町セゾン(発泡酒)』 のラベルの優雅を楽しむ
紫色のラベルでしっとり落ち着いた京都色の強いビール系飲料。室町・平安時代にあったらお公家さんが盃を傾けているような情景を思い浮かべるような製品です。製品の説明としては、絢爛豪華とわびさびの融合が室町文化を象徴する世界観を醸し出しているとの事。洋食よりも和食のときに飲んでみたい気がしてきます。
おいしい温度の目安として4度から6度と書いてあり、お客様に対して優しい表現をしてもらっていると思います。
【西陣麦酒】 『室町セゾン(発泡酒)』 原材料は日本の歴史を物語ります
原料は麦芽・ホップ以外に麹を使い、発泡酒扱いになっています。古くからの日本の伝統である麹の文化をテーマとして、京都の歴史観を重ね合わせて作られた、造り手の顔が見えてきそうなビール系飲料なのだと感じました。
【西陣麦酒】 『室町セゾン(発泡酒)』 「おっ!」と思わせる 優美な刺激を知ってみたくないですか?
開栓してグラスに注ぎました。麦芽は特徴的なものではないのか、特に泡がきめ細かいと言うわけではなく、普通のビールの泡と変わらないようでしたが、カラーは少し独特な感じがします。
口に含むとちょっと、「おっ!」声がでそうにとびっくりしてしまう感じです。ごく普通のビールのように麦芽・ホップや副原料を使ったビールと違い、麹と言う特殊な素材を使っているんだという独特な風味がなんともいえない心地よさを醸し出してくれています。
特に、ホップの苦味だけでなく麹の持つ鼻から抜ける日本酒のような香り・風味と言うのでしょうか、そういうものを感じられ非常に不思議な香味がしました。
味わいもビール独特の麦芽の甘み以外に、麹によって糖化された少しまったりとした感じの甘みがあり、さらに苦味も複雑さを増した感じがして非常に面白いビール系飲料だと感じました。
優雅さ、優美さという落ち着いた感じではなく、優雅な中にも積極性を感じさせるような、まだ混沌とした「室町」という時代を表現しているという感じがして、製品名にもうなづけます。
【西陣麦酒】 『室町セゾン(発泡酒)』どこで買えるの?
京都にあるドラッグストアひゃ業務店で購入できます。おちろん通信販売もスタートされ充実したラインナップで楽しませてもらえます。試してみようかなと思われる方は、ふるさと納税をするのもひとつの手になると思います。
京都の多くの業務店でも扱っておられる以外に、東京や四国でも飲むことができるようです。タップルームもある様ですが現在は休業中とのこと。
【西陣麦酒】 『室町セゾン(発泡酒)』 まとめ
クラフトビールでは特徴を出すのにいろいろ工夫されていますが、この製品は日本特有の素材である”麹”を使ったもので、いにしえの日本を表現した楽しい発泡酒となっています。よく冷やして飲むのが良いようで、このビール系飲料で古き都を忍んでみるのも一興かと思いました。
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